あらすじ
中学二年の秋、私は突然、長野の団地を離れることになった。
何も言えないまま別れたのは、兄の友人であり、初恋の人――刈谷先輩。
それから十年。
社会人になった私は、静かな想いを抱える同期・黒崎と働きながら、穏やかな日常を過ごしていた。
――あの日のミサンガも、心のどこかに残したまま。
そんなある日、取引先として現れたのは、かつての初恋その人だった。
「……白石、愛香?」
過去と現在が交差する中、
まっすぐに踏み込んでくる刈谷と、静かに距離を詰めてくる黒崎。
どちらの想いも嘘ではないからこそ、心は揺れる。
これは、言えなかった気持ちと向き合いながら、
“誰かに選ばれる”のではなく、“自分で選ぶ”恋の物語。