あらすじ
法と正義が死に絶え、暴力が唯一の秩序となった日本。
警察は権力と癒着した無用の長物と化し、街の平穏は、任侠を掲げる極道と、恐怖で支配するマフィアによる危うい均衡の上に成り立っていた。
そんな、救いようのないエロゲ『極夜のアルカディア:壊れた世界の秩序を紡ぐ者』
――通称『極アル』の世界に、俺は使い捨ての末端構成員・河合銀《かわいぎん》として転生してしまった。
学校が占拠され四百人以上が惨殺される事件さえ「日常」として片付けられるこの狂った世界で、俺を待つのは、物語の中盤で主人公たちに倒され、無様に散る端役としての運命。
死の回避を誓う俺は、ゲームの知識を武器に、裏で糸を引く黒幕を突き止めようと血生臭い抗争の渦中を奔走する。
立ち塞がるのは、この国の闇を統べる超巨大組織・荒草組の冷酷なカシラ。
そして、私利私欲を尽くす半グレやマフィアたち。
だが、この予測可能な絶望のシナリオに、たったひとつの「異分子」が紛れ込んでいた。
それは、組員の誰もが「危なっかしくて可愛いお嬢」として溺愛する、荒瀧組長の孫娘・荒瀧はすみ。
本来は攻略ルートすら持たないはずの彼女は、周囲の緊迫した空気などどこ吹く風で、ただ己の「好奇心」のままに生きる。
死にたくない一構成員の俺と、物語の外側で自由奔放に振る舞うお嬢様。
二つの視点が交錯する時、腐りきった世界の秩序が静かに、しかし確実に狂い始める。