あらすじ
赤い光に包まれた宇宙船で、母に名前を呼ばれる夢を見る少女——希望(のぞみ)。
目覚めるたび、夢の続きを思い出すことはできない。
希望は、白く閉ざされた宇宙船の中で、世話用ロボットと二人きりの生活を送っている。
十三年以上この船で暮らしてきたが、自分の名前以外の過去や、この船がどこを航行しているのかは知らされていない。
毎日与えられるのは、規則正しい生活と、語学や科学、銃の扱いといった不可解な訓練だけだった。
ロボットは常にそばにいて、希望を守る存在だった。
それが、この世界の“当たり前”だと信じていた。
しかしある日、決して開くはずのない区画が解放される。
その先に待っていたのは、かつて人間だった存在——ゾンビ。
ロボットは希望を逃がすため、自ら犠牲となって立ちはだかる。
その行動をきっかけに、希望は知ってはいけなかった真実へと近づいていく。
なぜ希望だけが生き残ったのか。
なぜ名前が与えられたのか。
そして、この宇宙船はどこへ向かっているのか。
閉ざされた宇宙で、
少女は“希望”という名の意味を思い出す——。