あらすじ
皇牙学園男子バスケットボール部は、ひとりの“才能”に振り回されていた。
一年生、獅子神蓮牙。
理事長の孫にして、ライオンの獣人。
恵まれた体格、圧倒的なフィジカル、支配的なプレースタイル。
コートに立てば誰よりも強く、誰よりも目立つ。
――だが、その力は“未完成”だった。
理由はただひとつ。
彼が制御首輪の装着を拒否していること。
獣人競技において、それは致命的な欠陥だった。
どれほどの才能を持っていようと、制御できない力は“危険物”に過ぎない。
チームは頭を抱えていた。
インターハイ予選まで、残り一ヶ月。
このままでは、出場すら危うい。
そんな中、ひとりの人間が現れる。
左倉カズマ。
監督権保持者。
毒舌、合理主義、容赦なし。
選手に媚びず、感情にも流されない。
彼は獅子神を一目見て言い放つ。
「制御首輪をつけなければ、お前は崩壊する」
その言葉は警告ではなく、断定だった。
さらに続ける。
「――俺が、制御首輪の“本当の力”を引き出してやる」
首輪は枷ではない。
弱者のための安全装置でもない。
それは、“力を扱うための鍵”だと。
反発する獅子神。
従わせようとする左倉。
ぶつかり合うのは、プライドか、それとも信頼か。
制御か、解放か。
未完成の王と、冷酷な制御者。
交わるはずのなかった二人が出会ったとき、
チームは変わり、競技は変わり、
そして――“獣”の戦いは新たな領域へ踏み込む。
本能を制し、力を引き出し、勝利を掴むための戦い。
牙を持つ者と、それを制御する者が織りなす――
極限の競技物語。
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