あらすじ

「……うおっ」 とある夜、橋を渡っていた彼は、思わず声を漏らして立ち止まった。街灯の光は橋の両端に一つずつあるだけで、中腹はほとんど暗闇に覆われている。 その中、前方に黒いシルエットが浮かんでいるのが見えた。何だと思った次の瞬間、その影がゆらりと動いたのだ。 「あ……どうも……」 それはワイシャツ姿の中年の男だった。橋の欄干の外側、靴一足分ほどしかない細い縁に立っている。 彼の声に気づいたのだろう、男はのっそりと振り返って軽く会釈した。 彼もつられて「あ、どうも……」と会釈を返した。しかし、言葉が続かない。おそらくも何もない。どう見ても、自殺しようとしている人間の姿だった。 気づいてしまった以上、このまま通り過ぎるわけにはいかない。だが、何をどう言えばいいんだ……。 と、彼が言葉を探して黙り込んでいると、男が遠慮がちに口を開いた。

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小説を読もう2026/04/27
  • 現在の作品橋の向こうへ :約2500文字