あらすじ
愛車・SR400の単気筒が刻むリズムだけが、くるみの自由を証明する唯一の術だった。
深夜のトンネル、テールランプの赤に照らされた「剥き出しの白」。
彼女はその足首に宿る潔癖さを守るように、夜の闇を走り続ける。
しかし、辿り着いた静寂の公園で彼女を待っていたのは、かつての過ちへの「許し」を餌に、彼女の魂を蹂躙しようとする男・佐藤だった。
湿った落ち葉、冷たい夜露。
エンジニアブーツの堅牢な革さえも防げない、圧倒的な他者の侵食。
跪き、泥にまみれ、カシス・プラム色のレースを剥ぎ取られたとき、
くるみの愛した機械の鼓動は、逃げ場のない暴力的な熱量へと書き換えられていく。
「これで一生、お前は俺を思い出さずにバイクに乗ることはできない」
男がぶちまけた支配の刻印は、彼女の白い肌と、そして鉄の馬の鼓動に一生消えない呪いを焼き付ける。
一度汚された「白」を抱え、彼女は再び、独り冷え切ったシートに跨る