あらすじ
人間が空を飛ぶことは禁忌とされる異世界。
天は常に厚い雲に覆われ、その下では「風の龍」と呼ばれる激しい気流が渦巻いている。人々は、誰一人として雲の向こうを知らない。
五大貴族の御曹司ラスティは、それでもなお、「鳥のように空を飛びたい」という夢を捨てきれなかった。
彼は、禁断の飛行研究を行うガリオネッティ博士のもとを訪れる。
ラスティの資金と、博士の知識――そして異国の技術によって、新たな飛行機が完成する。
だが、その研究は教会に知られ、二人は裁きの場へと引き出される。
空を目指すことは、神への反逆か。それとも、人間の可能性の証明か。
やがてその挑戦は、世界の在り方そのものを揺るがす事件へと発展していく。
果たしてラスティは、風の龍を躱し、雲の天蓋の向こうへ辿り着くことができるのか――。