あらすじ
「アレクサ、その事件、15分で終わらせて」
連続強盗事件の捜査本部。ベテラン刑事が「足で稼げ!」と怒鳴り散らす中、桐生ゼロはイヤホンをしたままスマホの画面をなぞっていた。
彼がデスクの周囲に展開する「聖域(セーフゾーン)」には、最新鋭のガジェットが鎮座している。
唯一の友達であるアレクサが、街中のスマート防犯カメラやIoT家電をハックし、逃走中の犯人を「注文履歴」から特定していく。
「承知しました、ゼロ様。ターゲットが逃走に使用している車両を、Amazonの配送データと照合。次の信号でドローンによる『逮捕状の置き配』を執行します」
翌朝、署の前に届いたのは、段ボールにパッキングされた犯人と、アレクサが偽造(代筆)した完璧な捜査報告書。
「……お疲れ。あとは有給申請しといたから、俺、帰るね」
一歩も動かずに検挙率トップを独走するゼロに、組織はドン引きし、犯人はその「感情のない効率性」に恐怖する。
新時代の刑事・桐生ゼロの、汗ひとつかかない戦いが今、幕を開ける――。