あらすじ
魔法が日常として存在し、その技能がそのまま社会的価値と結びつく世界。
名門・王立魔導学園では、生徒は魔力量と実技によって厳格にランク付けされ、その評価が将来を決定づけていた。
そんな中、ユノ・アステリアは唯一「魔法を発動できない」存在としてFランクに位置づけられ、周囲から孤立していた。
彼女への扱いは露骨な暴力ではなく、「評価を下げないために関わらない」という合理性に基づいた排除——いわば“正しさの暴力”だった。
学園の頂点に立つSランク生、レイナ・ヴァルディスをはじめとする周囲の生徒たちは、ユノを劣った存在として当然のように扱い、彼女自身もそれを受け入れるしかなかった。
しかし、高等部の重要試験である召喚魔法の実技において、事態は一変する。
これまで一度も魔法を発動できなかったユノが、突如として制御不能なほどの膨大な魔力を解放。常識を覆す現象の中で、彼女は“何か”と繋がり、光の中から竜のような存在が姿を現す。
『——やっと、見つけた』
その声とともに、魔法が使えないはずの少女の運命は大きく動き出す。
魔法がすべての価値を決める世界で、“異常”として排除されてきた少女が起こした奇跡。
それは、世界の「当たり前」を揺るがす始まりだった。