あらすじ
馬の“声”を聴ける少女・月皇舞羽。月皇舞羽、舞香は馬術の名家に生まれた双子の姉妹。しかし馬に蹴られ、頭と心に傷を負う舞羽。そして馬術のオランダ留学を妹の舞香に譲ることとなり、そのポテンシャルが動き出す。
舞羽はこれまで感じ取れていたはずの“馬の声”が分からなくなってしまう。
同級生美都と共に高等部に進学した三人は、もう一つの馬術の名家、天沢遊馬と出会い舞羽は惹かれて行く。実力者である彼や、留学で実力を伸ばした舞香、そして強豪選手たちに囲まれる中、舞羽は「トラウマ」という致命的な弱点を抱えたまま競技に向き合うことになる。インターハイでは遊馬の主戦、障馬術害団体でドイツ帰りの天才涼風颯志と成瀬十葉の前に敗れ、舞香は颯志に恋心を芽生えさせる。そして馬場馬術の大会であるジュニア選手権でついに舞香の才能が開花する。
かつての“天才”という立場は完全に揺らいでいく。自分を見失っていく舞羽。その中で遊馬が高校生大会でついに十葉、颯志を破り江南馬術部の希望をもたらす。変わっていく馬術部。それでも彼女は再び馬と向き合うことを選ぶ。
そしてドレッサージュコンペで舞香を含むライバルたちが魅せる中、舞羽は愛馬とともに馬場へ向かう。しかし演技の最中、かつての感覚を取り戻そうとするほど動きは噛み合わず、わずかなズレが広がっていく。
転機は一瞬だった。
愛馬にすべてを委ねられたとき、人馬は言葉を介さず呼吸を重ねる。静かな意志のもとに交わされる意思——誘導と対話が重なったとき、人馬は本当の意味で一つになる。
トラウマ、才能への卑屈、そして過去の自分――すべてを乗り越えた舞羽は、ついに優勝を掴み取る。
そして過去を乗り越え彼女なりの答えを見つける。