あらすじ
紀元前三千二百年。
龍脈が世界を巡り、魔素が大地に満ちていた時代。
神と悪魔と人間が、まだ同じ地上に存在していた頃――オルテンシアという将国があった。
だが、その国の記録はほとんど残されていない。
どこに存在したのか。
誰が治めていたのか。
どのような歴史を歩んだのか。
すべては失われ、ただ一文だけが今も残されている。
「悪魔の襲撃によって、オルテンシア将国は滅びた」
それから五千年以上の時が流れた現代。
魔素は薄れ、神話は伝承となり、人々は魔術を学びながらも、かつて世界に存在した真実を知らずに生きていた。
天嶺学院高等学校。
星界維持天衡監理機関、通称S.C.A.L.E.直属の教育機関。
そこに、魔力を一切持たない少年が入学する。
鐡瑛志。
魔力を持たない。
魔術を扱えない。
測定結果は、常に不能。
周囲からは落ちこぼれと見なされる少年。
だが彼の内側には、現代の魔術理論では説明できない“ナニカ”が眠っていた。
加護とは何か。
祝福とは何か。
そして、受け継がれた代償とは何か。
失われた歴史と、現代を生きる少年たちの運命が交差する時、世界はまだ清算されていない過去へと向き合うことになる。
ーーこれは原罪へ至る物語。