あらすじ
都内の片隅に存在する小さな探偵事務所――玲探偵事務所。
そこに持ち込まれるのは、どれも一見すれば「事故」「偶然」「証明不能」とされる事件ばかりだった。
しかし所長・玲は断言する。
「偶然で片付く事件など存在しない」と。
冷徹なまでに事実だけを追い、感情を排した推理で真相へと迫る玲。
その隣で、直感だけで“見えない違和感”を掴み取る朱音。
情報と記録の歪みを暴く奈々、心理の嘘を見抜く沙耶、現場を知る圭介。
彼らは次第に気づいていく。
事件は個別に存在しているのではない。
すべては“同じ設計図”で繋がった連鎖だと。
そしてある日、現れる一人の青年――アキト。
彼は推理をしない。分析もしない。
ただ「未来の分岐」を知っているかのように、事件の“ルート”そのものを読み解く異質な存在だった。
自らを――ルートマスターと名乗るその男は、告げる。
「この事件は、まだ“正しいルート”にすら入っていない」
誰が真実を隠し、誰が道を歪めているのか。
そして、選ばれた“ルート”の果てに待つものとは何か。
これは、推理ではなく“選択”の物語。
見えない分岐を読み解きながら、最も危険な真実へと踏み込む群像ミステリー。