あらすじ
「モブキャラ」
それが、僕に与えられたクラス内での評価だった。
高校デビューに失敗し、自己紹介でも空回り。
連絡先交換会で交換した相手からは、いつの間にか連絡先を消されていた。
誰にも嫌われていない。
けれど、誰にも必要とされていない。
そんな僕は、教室の端でラノベを読みながら、平凡で退屈な高校生活を送るはずだった。
――そのはずだったのに。
クラスで「S級美少女四天王」と呼ばれる彼女たち。
明るく人懐っこい木戸朱美。
快活で距離感の近い四宮晶葉。
余裕のある笑みを浮かべる明星鈴美。
真面目で少しツンとした神行御代。
本来なら、僕とは一生交わることのないメインキャラたち。
けれどある日、落としたパンを拾ってもらったことをきっかけに、僕の日常は少しずつ歪み始める。
知らないアカウントから届くメッセージ。
下駄箱に置かれた匿名の手紙。
背中に感じる視線。
そして、僕を見る彼女たちの瞳に宿る、甘くて重い感情。
これは、冴えないモブキャラが美少女たちに囲まれて幸せになるだけの物語ではない。
誰にも見られなかった少年が、見つけられてしまう物語。
誰にも必要とされなかった少年が、必要とされすぎてしまう物語。
平凡に学校生活を送るはずだった僕は、気が付けば周りのS級美少女たちから、逃げ場のないほど激重な感情を向けられていた。