あらすじ

名前は音無透。読み方は「おとなし・とおる」。  陰キャのための名前を、生まれながらに二つも持つ男。  大阪・池田市在住、トランペット歴六年、友人ゼロ。  この春から、"青春するならここ"と噂される桜塚高校に入学した。  入学式の帰り道、電車のホームで声をかけてきた女子がいた。  石山奈央。箕面から通うトロンボーン少女。  背が高くて、予測不能で、本をよく読んで、たまに泣く。  なぜか、毎日一緒に帰るようになった。  吹奏楽部では音で話せた。言葉じゃなくても、届いた。  梅田でからあげを食べ、プリクラを撮り、パンケーキで締めた土曜日があった。  クラスでは地味でも、部活だけは生きていられた。  それだけで十分だと、思っていた。  ──高校二年生のクリスマス。悪夢のような二週間。  奈央の「本音ノート」を、どうしても読みたかった。  ただそれだけのことが、すべてを終わらせた。  十年後。明日は結婚式。  奈央とじゃない、誰かとの。  あの冬に戻れたなら、と今もまだ、思い続けている。  陰キャは青春に向いていない。  でも向いていないから、深く刻まれた。  後悔の純度が、高すぎた。

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カクヨム
カクヨム2026/04/26
  • 現在の作品【吹奏楽 純愛青春ラブストーリー!】桜塚高校とかいう青春バカの集まりでド陰キャをかまし続けた3年間について。