あらすじ
「泣くのって、すごく疲れるでしょう? だから私が、あなたの代わりに泣いてあげる」
高校二年生の白波瀬 雫(しらはせ しずく)は、学園内で秘密の『涙の代行屋』を請け負っている。失恋、いじめ、誰にも言えない後悔。プライドや世間体が邪魔をして「泣きたくても泣けない」生徒たちのため、雫は彼らの痛みに寄り添い、世界で一番美しい涙を流してカタルシスを与える。
しかし、他人の感情を完璧にトレースできる雫自身の心は、どこまでも透明で空っぽだった。
ある日、彼女の秘密を知る同級生の少年から「俺の嘘のために泣いてほしい」という奇妙な依頼が舞い込む。他人の痛みを演じ続ける少女が、本当の自分の心に出会うまでの、痛くて優しい青春心理劇。