あらすじ

商店街のいちばん奥、地図にも載っていない細い路地。そこに、月の出る夜だけ灯りをともす不思議なお店があります。看板には、墨字でひと言──「忘れもの、お預かりします」。 ある雨の夜、女子高生の 朝凪詩織(あさなぎ しおり) は、亡くなった祖母から受け継いだ古びた鍵に導かれ、その店の扉を開けてしまいます。そこで出会ったのは、銀髪に和装姿の青年・月村(つきむら)。彼は静かに告げます。 「ここはね、人が落とした"気持ち"を預かるお店なんだ。──手伝ってくれるかな、詩織ちゃん」 人が無くしたのは、傘でも財布でもなく、「言えなかった、ありがとう」「捨てきれなかった初恋」「もう一度会いたかった人の記憶」。形を持った"忘れもの"たちは、硝子瓶の中でしずかに揺れていて。 詩織は放課後、この店の見習い店員として、ひとつひとつの"忘れもの"を持ち主のもとへ返す旅に出ます。それは時に切なく、時にあたたかく──そして気づけば、詩織自身が忘れていた"いちばん大切なもの"へと辿り着いていく。

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小説を読もう2026/04/26
  • 現在の作品月夜に開く忘れもの預かり所――私は“言えなかった想い”を届けています