あらすじ
関東に名を轟かせる百舌鳥家の跡取り、百舌鳥 彰宏は、幼い頃から世話係であった若頭、城島 幹雄の背に刻まれた蛇の刺青に魅せられ、『漢』の世界へと足を踏み入れる。
その道の先で出会ったのは、完全紹介制を貫く偏屈な彫り師、四代目、桐生だった。
一筋縄ではいかないその男に振り回されながらも、彰宏は次第に抗いがたい執着を抱いていく。
やがて彫りを終えた熱を持て余した彰宏は、その想いをぶつけようとするが、桐生はそれを軽くいなしてしまう。
生まれて初めての『拒絶』に、彰宏の中の何かが狂い始めた。
さらに桐生を巡って現れる、もう一人の男——雅。
二人の間に火花が散る中、男たちは一人の存在を巡って、静かに関係を歪ませていく。
『お前に、俺の喧嘩相手が務まるかなぁ……容赦なんてするつもり、毛頭無ぇんだけど』
『三月であんたに追いついたんです。あと三月でものにします』
『こいつなりの流行り物に乗ってるだけだろ。その勢いも、いまだけだ』
『いつまで経っても、ものに出来ない人に、何を言われたところで効きませんよ』
『へぇ、言うねぇ』
『余裕見せてんのも今のうちですから……覚悟して下さい』
誰のものにもならない男を巡る、任侠×刺青×執着の物語。
──壊れていくのは、誰の心か。
❇︎R15表現あり