あらすじ
【イントロダクション:世界の構造】
この世界は、重なり合う二つの「円」で構成されています。
下の円(地上層):軍事強国や連合国が覇権を争い、飛行船が空を駆ける近代的な現実世界。
上の円(天上層):魔力と精神の源泉であり、神秘が渦巻く高次元の領域。
かつて、禁忌を犯してこの二つの円を強引に結合させようとした集団がいました。その「楔(くさび)」として、ある赤子に呪いが刻まれました。
―「周囲の憎悪を吸い上げ、魔力に変換し続ける」―という宿命。集団が消滅した後、その呪いと共に取り残されたのが、物語の主人公である少年です。
【主要登場人物:孤独な二人旅】
1. 少年(主人公)
年齢・一人称: 12〜13歳。普段は「僕」と名乗り控えめに振る舞うが、戦闘時や感情が昂った際には、内なる苛烈さが「俺」として漏れ出す。
宿命: 自分の存在が周囲の負の感情を吸い上げてしまうことを厭い、「皆が平和なら、自分は犠牲になっても構わない」という危うい自己犠牲の精神を持つ。
戦闘スタイル: ショートソードとスモールシールドを操り、相手の攻撃を「受け流す(パリィ)」ことに特化した前衛戦士。魔力は自身の「生存(治癒や防御)」のみに使い、目立つことを極端に避ける。
2. 美しき守護者(お姉ちゃん)
献身と謎: 幼い頃の少年と出会い、以来、彼の「お姉ちゃん」として片時も離れず寄り添い続けている女性。
佇まい: 凛とした美しさと華のある雰囲気を纏うが、その素性は一切不明。かつて何かを捨てて彼を選んだような、深い「覚悟」と「痛み」を瞳の奥に秘めている。
圧倒的な力: 少年に対しては慈愛に満ちているが、彼を傷つける者には一切の容赦がない。時折、人間離れした圧倒的なオーラを放つことがあり、彼女が何者なのかは物語の大きな謎となっている。
【物語の舞台:均衡と影】
世界は現在、絶対的軍事力の「強国」、小国が結束する「連合国」、そして独立を保つ「中立国」が、条約という名の薄氷の上で均衡を保っています。
そして、その裏で糸を引くのが「教会」。どの国にも属さない独立した権威を持つ彼らにとって、少年は「世界の均衡を乱す異端」か、あるいは「究極の資源」か……。
憎悪から生まれる魔力が、少年を蝕むのか、それとも世界を救う光となるのか。この先の旅で出会う人々が、少年の乾いた心にどんな影響を与えるのか。二人の旅路と共に、円環の物語が今、動き出します。