あらすじ
公爵令嬢マリエッタは、十七回目の人生を生きている。これまで全ての周回で、毒・刃物・断罪・事故と、ありとあらゆる方法で殺
されてきた死に戻り悪役令嬢である。
十六回目の最後で全てを諦めた彼女は、今回こそ「優雅に紅茶を飲んで、優雅に断罪されて、優雅に死のう」と覚悟を決めて目覚め
た。——のに。
侍女は枕の下のナイフを下げて優しく薔薇茶を淹れてくれる。父は娘の心配をしてくれる。婚約者の王太子は耳を赤くして「髪型が
可愛い」と呟き、敵だったはずの聖女は手作りクッキーを携えて「お友達になりたい」と頬を染める。
罠だ、絶対に罠だ——疑心暗鬼で警戒し続けたマリエッタは、ついに王太子から噴水の前で真っ直ぐな告白を受け、十七人生分の感情
が決壊して泣き崩れる。
その夜、寝台の中で彼女はようやく気づく。前世まで全部、自分がちょっと性格悪かっただけ、では?
——気づくの、十七回目。
やり直し系悪役令嬢の、ほんわか自覚オチ短編。