あらすじ
推しを守るためにこの世界へ来たのに、どうして推し本人に「逃がさない」と壁ドンされているんでしょう。
乙女ゲーム「薔薇の誓約」を廃人レベルで周回したアラサーOLは、ある朝目覚めたら悪役令嬢カサンドラ・ヴェルデになっていた。
鏡を見て確認した。黒髪に紫の瞳、間違いない——ゲームの全ルートで断罪される、あの公爵令嬢だ。
けれど転生直後に心に決めたことがある。
悪役令嬢としての役割なんて全部放棄して、ただひとつのことに全力を尽くすと。
その目的は、三年後の断罪イベントで処刑エンドを迎える推しを救うこと。
騎士団副団長レイ・アシュフォード。前世で百回以上攻略した、黒髪金目の寡黙な騎士。
彼を不幸なルートから救い出すまでは、絶対にこの世界を離れられない。
謀反のフラグを折ろうとしたら逆効果で派閥争いを激化させてしまい、
ヒロインの側にいる時間を管理しようとしたら本気で懐かれてしまい、
挙句の果てに推し本人から「あなたは三ヶ月前から、私の周囲で何かを変えようとしている」と書庫で問い詰められ——。
思わず漏れた本音は「あなたに、死んでほしくないんです」。
これは推し活のはずだった。プロデューサーの視点で、ただ推しを幸せにするつもりだった。
なのにどうして、推しに愛されている。