あらすじ
その日、たった一夜にして東京は消滅した。
突如、東京上空を切り裂いた一筋の光、その光を浴びた人間は粒子になって消滅してしまう。
光は瞬く間に東京全体を飲み込み、日本の都市機能のほとんどは停止し、多数の人間が安否不明となった。
それで終わりだったらどんなに良かっただろう。
光に包まれた東京から現れたのは人間ではなく、世界外生命体。人間が”天使”と呼ぶ存在だった。
天使は、人間の知る人の形をした人間を救う存在などではなく、醜い獣の姿をした人間を襲う化物のことであった。
神は天使を遣わし、世界を創り変えるために、今ある世界を破壊しようとしている。
そんな絶望の時代に現れたのは、悪魔の力を宿した人間。生に執着し、力を求めた「渇望種(アスパイア)」と呼ばれる存在であった。
これは、後に天墜期と呼ばれることになる時代に名を残すことになる、終焉に抗った者たちを書いた叙事詩である。
以下自分語り
「散り際は美しく」「散る時は悔いのないように」という言葉を、皆様も一度は耳にされたことがあると思います。
しかし、私は自作を世に送り出すにあたり、あえてこの考え方を否定しています。
もちろん、それが間違いだと言うつもりはありません。そのように在れたなら、それは素晴らしいことでしょう。
ですが、果たして誰もがそのように在れるものでしょうか。
私は、人間とは何らかの「執念」を持って生きるものだと考えています。
それは「夢を叶えたい」といった大きな願いから、「明日の食事のために今日の仕事を頑張る」といった日常的なものまで様々です。
人生において、やりたいことをすべて成し遂げるのは、ほぼ不可能と言っても過言ではありません。一つを達成しても、また新たな望みが生まれてくるものであるからです。
だからこそ、最期の瞬間には達成感とともに、やり残したことへの「後悔」がよぎるはずです。
私は、その未練や渇望にこそ人間の真髄があり、美しさがあると考えています。
本作を通じて、それを感じていただければ幸いです。
投稿頻度は不定期で遅筆な上、至らぬ点や拙い表現も多々あるかと思いますが、お付き合いいただけますと大変光栄です。