あらすじ
誰も苦しませたくなかった。だから俺は、全部を引き受けた。
異世界に転生した主人公が持つのは、他人の苦しみを“分散させる”はずのスキル。
だがその善性ゆえに、力は歪み――すべてを“自分一人に集める”ものへと変質してしまった。
その結果、大切な人を失い、彼は王都を離れ辺境で生きることになる。
もう誰にも関わらない。そう決めていたはずだった。
――王都で再び出会うまでは。
不治の病に侵された少女。
「助かりたい」と願いながらも、「迷惑をかけたくない」と口にするその姿は、かつての記憶を呼び起こす。
関われば、また壊れるかもしれない。
それでも彼は、手を伸ばしてしまう。
これは、すべてを背負おうとして壊れかけた少年と、
それを“分け合おう”とする少女の物語。