あらすじ

公爵令嬢クラリスは、十年ものあいだ王太子妃になるための教育を受けてきた。 けれど実際に彼女がしていたのは、教育などという可愛らしいものではなかった。 王妃主催の茶会。 隣国大使への根回し。 慈善事業の予算配分。 貴族夫人たちの席次調整。 王太子の失言の後始末。 病がちな王妃に代わる王妃執務院の実務。 すべてを、正式な役職も報酬もないまま、クラリスは黙って支えていた。 そんなある日、妹ミレーヌが笑顔で言う。 「お姉様の仕事くらい、私にもできますわ」 王太子ジュリアスはその言葉を信じ、クラリスとの婚約を解消。 妹ミレーヌを新たな婚約者に選んだ。 クラリスは泣かなかった。 怒りもしなかった。 ただ、王宮の机に置いていた自分の資料をすべて片付け、静かに一礼した。 「では、明日からお願いいたします」 翌日、王宮の朝会が止まった。 二日目、隣国大使が怒った。 三日目、王太子は青ざめた。 そして四日目。 クラリスのもとへ、王弟レオンハルトが訪れる。 「君を連れ戻しに来た。ただし、誰かの婚約者としてではない。この国に必要な人材としてだ」 奪われたのは、婚約者ではなかった。 無償で押しつけられていた責任だった。 これは、王宮を支えていた有能令嬢が、自分の価値を正しく取り戻す物語。 婚約破棄から始まる、実務系令嬢の王宮逆転劇。

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小説を読もう2026/04/25
  • 現在の作品『妹が「お姉様の仕事くらい私にもできます」と言うので、婚約者も王妃教育も譲りました。ですが三日で王宮が止まりました』