あらすじ
村人たちの祝福に包まれ、十五歳の誕生日を迎えた少女ニーナ。
病弱な母を支え、周囲の優しさに守られて生きてきた彼女にとって、その日は人生で最も幸福な一日になるはずだった。
だが、首都から現れた騎士団が村を制圧し、右頬に痣を持つ「闇の子」を差し出すよう迫る。
人質に取られた村人たちを前に、ニーナは恐怖に震えながらも、自ら名乗り出ることを選ぶ。
理由も告げられぬまま連れ去られ、冷たい牢に投げ込まれた彼女は、奪われた日常と残された温もりの間で問い続ける——なぜ自分が選ばれたのか、と。
絶望と孤独の中、ただ一人現れた白銀の髪の男は、鉄格子越しに静かに告げる。
「遅くなった」と。
その言葉が意味するものも分からぬまま、少女の運命は静かに動き出す。