あらすじ
22世紀初頭。人口の急速な減少により各国は荒廃。最盛期の十分の一にまで崩落した地球で、人類は手を取り合い、かろうじて再興を果たしていた。国境線さえ書き換え、世界は統一国家となった。
世界評議会は|別世界秩序《Another world Order》を宣言し、人類は新たな時代の幕を開けた。
時代の凪は、長くは続かなかった。
ヴィタルマナ――通常の人間からわずか0.1%の確率で産まれる、老いることのない新人類。
未知なる突然変異種。未知とは恐怖。
恐怖は、支配しなければ、安心して朝を迎えることはできない。
歴史がそうしてきたように、人類は再び未知を差別し、その権利を奪った。
それから30年。西暦2168年。
恐れられ、隔離され、権利を剥がれた彼らは、境界の向こう側で静かに息をしていた。
|天日《アメノヒ》=エゼンも、その一人だった。
どこか掴みどころのないその青年は、世界の端で農業エンジニアとして静かに暮らしていた。
その平穏が、爆発音に引き裂かれるまでは。
ある日の出張の帰り、上司のマリィと共にいた。突然の爆発音と共に、街はテロリストに占拠された。
市街地の防衛システムは乗っ取られ、逃げ惑う市民たち。
防衛ドローンが守るべき市民に銃を向けていた。
|天日《アメノヒ》はマリィとその渦中に巻き込まれていく。
首謀者は、そしてその目的は……