あらすじ
文化祭を一週間後に控えた淀嶋高校。
興味の薄いまま日々をやり過ごしていた三年生の斗風は、後輩ミナに誘われ、お化け屋敷の手伝いをすることになる。
そこで語られる、ありふれた怪談――「トイレの花子さん」。
三階の女子トイレ、三番目の個室。
呼べば現れ、返事を聞けば“連れていかれる”。
だが、斗風は気づき始める。
その“恐怖”が、どこか不自然であることに。
同じ頃、クラスでは静かな優等生・和島さんの存在が、なぜか彼の中で引っかかり続けていた。
誰の告白も受け入れない彼女。
けれど確かに、彼女は“こちらを見ている”。
見えないものは、本当に存在しないのか。
それとも――見えていないふりをしているだけなのか。
文化祭の夜、すべての違和感がひとつに繋がるとき、彼は“花子さん”の正体と、自分の感情の行き先を知る。
これは、怖くないはずの怪談から始まる、少しだけ不器用な恋の物語。