あらすじ
没落寸前だったアルヴェイン子爵家を、類まれなる商才と献身で王都屈指の富裕な家門へ押し上げた妻・エルザ。
しかし、夫のレイモンドは新しい愛人にそそのかされ、エルザの完璧な采配を「息苦しい」「男を金で支配している」と嫌悪し始める。
ついには公衆の面前で「君は結局、金しか出せない女なんだよ」と暴言を吐き、離縁を突きつけたレイモンド。
深く傷ついたエルザは、それでも彼を愛するがゆえに、自らが築き上げた莫大な財産を一切奪うことなく、古い印章一つだけを持って静かに家を出た。
これは、愛を捨てた女性が真の自由を手に入れ、自らの手で愛の残骸を冷酷に清算するまでの物語。