あらすじ

七年ぶりに地元へ戻った朝倉は、図書館でかつて想いを寄せていた水野遥と再会する。
変わらない笑顔に安堵する一方で、彼女の言葉や振る舞いには、わずかな“ずれ”があった。

同じ説明を繰り返す。約束を思い出せない。名前がすぐに出てこない。
やがて朝倉は、遥が日々の出来事を手帳に書き留めることで、失われていく記憶をつなぎとめていることを知る。

「書いておけば、あとでわかるので」

彼女と過ごす時間の中で、朝倉もまた記録を書き始める。
だが、書くことで残せるものと、どうしても書けないものがあることに気づいていく。

記録と記憶のあいだで揺れながら、二人は同じ時間を持ち続けようとする。
それでも、こぼれ落ちていくものは止められない。

書けなかったことは消えていく。
それでも、確かにそこにあった午後は――消えない。

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アルファポリス
アルファポリス2026/04/25
  • 現在の作品午後は消えない