あらすじ
スラムのスリ少女リタは、うっかり本物の聖女から聖女証と聖遺物を盗んでしまった。
売って逃げるつもりだった。
なのに、なぜか王宮で「聖女様!」とひざまずかれ、倒れた王子の前に連れていかれる。
違う。
私は薬師じゃない。
聖女でもない。
ただのスリです。
しかし、スラムで覚えた庶民薬と水の知識で王子を助けた結果、王宮中が大感動。
その後も、火事を防げば「聖火の奇跡」、逃げるために煙を使えば「神聖離脱」、井戸の水を止めれば「村を救う聖女」と、リタの逃亡は全部なぜか奇跡扱いされていく。
ただ一人、冷徹な異端審問官クラウスだけは彼女を疑って追ってくる。
だがそのクラウスも、リタが逃げるたびに人を救ってしまうせいで、だんだん様子がおかしくなっていき――
「あなたは本当に偽物なのですか」
「お願いだから信じないで!」
捕まったら処刑。
逃げたら伝説。
追われるほど距離が縮まる、偽聖女と異端審問官の逃亡すれ違いラブコメ。