あらすじ

ある日、「なんで私なんだろう」とつぶやいた瞬間、世界が歪んだ。
気づけば、見知らぬ都。土の匂いと、血のような重い空気。
そして、私を拾ったのは――人じゃないものを視る男だった。
十三歳の少女・紗良は、現代から平安時代へと突然タイムスリップしてしまう。
言葉も通じきらず、頼る者もいない中、彼女を拾ったのは二十五歳の陰陽師・蒼真。
冷静で他人を寄せつけない彼は、都に巣食う怨霊を祓うことを生業としていた。
紗良はやがて、自分の身に異変が起きていることに気づく。
恐怖や悲しみで満ちた存在――怨霊に触れたとき、なぜかその穢れを“浄化”してしまう力。
それはこの時代でも異質で、そしてあまりに危うい力だった。
「お前は、ここにいてはいけない存在だ」
そう言いながらも、蒼真は彼女を突き放せなかった。
行き場を失った少女と、孤独を選んできた男。
二人はやがて、怨霊退治という共通の戦いの中で共に行動することになる。
だが、その関係は単なる共闘では終わらない。
紗良にとって蒼真は、初めて自分を守ってくれた存在だった。
一方で蒼真にとって紗良は、理では割り切れない“例外”となっていく。
年齢も、時代も、常識も、すべてが噛み合わない。
それでも少しずつ縮まっていく距離。
だが都には、ただの怨霊ではない“意思を持つ闇”が蠢いていた。
紗良の力を狙う者、蒼真の過去に関わる因縁、そしてこの世界に呼び寄せられた理由。
戦うたびに削られていく日常と、守りたいと願ってしまった心。
二人の絆は、禁忌へと踏み込んでいく。
「帰れ」と願うはずなのに、
「ここにいてほしい」と思ってしまう矛盾。
やがて紗良は選択を迫られる。
元の世界へ戻るのか、それとも――。
これは、千年の時を越えて紡がれる、
出会いから結婚、そして新たな命へと続く、
切なくも強い絆の物語。
怨霊を浄化する少女と、孤独な陰陽師。
二人が交わした約束は、時代を超えて未来を変えていく。

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アルファポリス
アルファポリス2026/04/25
  • 現在の作品千年を越えて、君の式神になる