あらすじ

小学校教諭の瑞希は、授業参観を終え帰宅すると、自宅のドアが開け放たれているのを発見する。 空き巣被害に遭い、鍵も壊され、帰る場所を失ってしまった。 「真面目に生きてきただけなのに、なんで私がこんな目に……もう、ここにはいられない」 恐怖から逃れるように車を走らせた瑞希は、交通事故を起こしかけてしまう。相手の青年・江坂を家まで送ることになったが、辿り着いたのは古びた一軒の『質屋』だった。 店主の『間(はざま)獏』と名乗る胡散臭い男は、瑞希に「体中、執着まみれだねえ」と告げ、江坂のことを『エサ』と呼ぶ。 男性同士が愛し合う物語を好んでいた瑞希は(このふたり、尊いっ)と密かに悶えてしまう。 ともあれ、ホテル代も財布の余裕もまったくない。 そんな瑞希に店主の獏は「ここに泊まればいい」と提案。宿代がわりの質草として、祖母の形見の万年筆を預けることになった。 しかしその夜、質屋の二階から妖しく甘い声が聞こえ、意思を持つかのような紫色の煙が漂ってきて――。 質草に憑く人々の執着を『悪夢』として見る体質のエサと、それを煙管で吸うことで食事する獏。そんな怪しげな質屋に間借りする腐女子、瑞希の目を通して語られる不思議な物語は、果たして悪夢か、希望か。 疲れ、傷ついた現代人の避難所である『質屋間(はざま)』で繰り広げられる数々の夢見譚は、きっと貴方の邪気祓いになるに違いない。

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カクヨム
カクヨム2026/04/25
  • 現在の作品質屋間(ハザマ)の夢見譚