あらすじ

高校三年間、同じクラスで過ごしながらも、颯太は芽衣に思いを寄せたままで何も伝えられないまま卒業式を迎える。式の日に告白しようとするが、いざ声が出てこず、その夜、芽衣が桜前線を追いかける旅に出たことをSNSで知る。  颯太はアルバイトで貯めたお金を旅に使い、芽衣の投稿を頼りに福岡から北へ新幹線を乗り継いで追いかけ始める。桜前線の南端から北海道の終点まで、芽衣が各地の桜を撮りながらゆっくりと北上するのを、颯太は一直線に進んで距離を縮めていく。  長野で芽衣を見つけた颯太は「来ると思ってた」と言われ、芽衣が卒業式の日の後ろ姿をちゃんと見ていたことを知り、二人で旅を続けることになる。新潟や秋田、岩手を北上する中で、芽衣の写真に対する熱意や、旅を始めた本当の理由――高校生活の終わりを先送りするために春を追いかけていたこと――を少しずつ聞き出していく。  青森ではまだつぼみの桜を、芽衣は「まだ何も終わってないから」という理由で特に気に入り、颯太も“終わらせたくない”自分と芽衣の重ねることに気づく。最後にフェリーで北海道へ渡り、桜前線の終点の町で満開の桜並木に立った二人。そこで颯太は、三年間言い出せなかった「ずっと好きだった」という気持ちをようやく告白し、芽衣は静かに笑いながら、その顔をカメラに収める。二人の春は、ここから始まった。

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エブリスタ
エブリスタ2026/04/24
  • 現在の作品桜前線、追いかけっこ