あらすじ
公爵令嬢ナタリア・アイゼンシュタインは、卒業夜会の場で王太子から婚約破棄を言い渡される。
隣に立っていたのは、“真実の愛”だと庇われる男爵令嬢。
大勢の貴族たちが固唾を呑んで見守る中、ナタリアは泣き崩れるどころか、にこやかにこう言い放った。
「婚約破棄してくださって、心から感謝いたしますわ」
実はナタリアにとって、その婚約は我慢と気苦労の連続だった。
王太子の未熟さを陰で支え、完璧な婚約者を演じ続けてきた彼女は、婚約破棄をきっかけにようやく本音で生きることを決める。
すると次第に明らかになっていく。
王太子の周囲がうまく回っていたのは、誰のおかげだったのか。
“可愛らしい新しい婚約者”では務まらないものが、どれほど多かったのか。
そして、そんなナタリアの本当の価値に気づいたのは、皮肉屋で食えない第二王子カイルヴェルトだった――。
毒舌だけれど筋が通っていて、容赦がないのに凛として美しい。
婚約破棄から始まるのは、泣いて耐えるだけの恋ではない。
言葉でも生き方でも勝ち切る公爵令嬢が、失った婚約の先で本当の幸せをつかむ、痛快ざまあ恋愛物語。