あらすじ
かつて世界を救った『闘神』ゼノンには、生涯最大の失策があった。
それは、稀代の悪童アルス・フォン・ローゼンバーグを、「暴力」による再教育で史上最悪の「知性を持つ暴君」へと育て上げてしまったこと。
アルスは、黄金の瞳と圧倒的な魔力、そして師から学んだ軍略を駆使し、女たちの心を折り、人生を蹂鳴し、自分好みの「人形」へと変え、国家そのものを手中に収めていく。
カトレア――誇り高き騎士の魂を折られ、家族を人質に取られた。
リリア――知性を愛され、支配の共犯者として自らも狂気に染まった。
マイ――恐怖に縛られ、主の「影」として手を汚し続けた。
ニーナ――無垢な生命力ゆえに、暴君の新たな執着の対象となった。
だが、アルスが「完全なる支配」に酔いしれる中、彼女たちは暗闇の中で手を取り合い、一つの巨大な「偽り」を構築し始める。
アルスが感じていた女たちの従順な吐息も、彼を求めて震える指先も、すべては魔導装置と彼女たちの演技が生み出した偽造信号。背後から忍び寄るゼノンと周辺諸国の連合軍。アルスが玉座に座り、自らを神と信じた瞬間、世界は彼を拒絶し、反逆の幕が上がる。
「見てください、この忌々しくも美しい瞳を。この子たちは、あなたの力だけを継いだ『私たちの復讐』です」
絶望の果てに彼女たちが産み落としたのは、希望か、それとも新たなる禍根か。
圧倒的な筆致で描かれる、支配と反逆のダークファンタジー、堂々完結。