あらすじ
ある日、高校生の終夜揺は神に呼び出された。
告げられたのは、一つの使命。
「異世界を消し去れ」
神々の気まぐれで生み出された数千の異世界が、神々の住まう空間を圧迫している。揺を含む二十人の転生者——「最後の転生者(ラスト)」たちは、それぞれ能力を与えられ、世界を消す旅に送り出された。
揺の能力は、『つなぐ力(ボンド)』。
地味だと思っていた。
でも揺は、消すたびに気づいていく。どの世界にも、笑った人がいた。泣いた人がいた。愛した人がいた。作り物だとしても、確かに生きていた人たちがいた。
だから揺は決めた。
消えゆくすべてを、覚えておく。
眠るように世界を終わらせること。苦しまない終わりを作ること。それが揺の、誰にも命じられていない使命になった。
しかし旅は過酷だった。快楽のために人を殺す危険なラスト、神に近づいた力を持つ「隣神人」、そして揺の行く手を阻むライバル・枢柩。
仲間が増えた。傷ついた。覚悟を決めた。
それでも揺は繋ぎ続ける。
人と人を。心と心を。
消えゆく世界と、自分自身を。