あらすじ
「ねぇ、責任取って手伝ってよ。」
――その一言から、すべては始まった。
僕たちの関係が変わってしまったのは、あの日からだった……。
大学生の紺場崎成亮(こんばさきせいすけ)は、
大学の学費を稼ぐため、都内のデパートで清掃員のアルバイトをしていた。
そんな彼が一目置く存在――それが、インフォメーションスタッフの砺波天音(となみそぷら)。
容姿端麗、温厚篤実……まさに高嶺の花。
仕事でドジをした日も、定期的に流れる天音のアナウンスに、何度も救われてきた。
彼女の声は、成亮にとって“女神”そのものだった。
そしてもう一つ。
成亮には密かな楽しみがあった。
――「疲れ切った体をベッドに沈めてASMRの配信を聴きながら寝落ちすること」。
ある日のこと。
いつものように新しいASMRを動画配信サイトで探していた成亮は、
背景が黒塗りされた、異様な動画を発見する。
再生してみると――
音割れ、動画の不手際、機材不調。
とても聴けたものではない、ひどい出来だった。
だが、そのノイズの奥から
かすかに聴こえてきたのは、
“あの天音の声”だった――⁉︎
翌日。
成亮が彼女を問い詰めると……。
「成亮君、ちょっと......秘密にしといてくれる?」
こうして始まる、誰にも言えない“声”の秘密。
デパート嬢を中心に巻き起こる出来事に、成亮は大奮闘!
ただの“声”のはずだった。
――それが、全部を変えるなんて。