あらすじ
ヒロイン(自称)が、泣きながらこちらへ駆け寄ってくる。
この動作、統計的に高確率で「あなた様に突き飛ばされたの」の前振りである。
公爵令嬢フェリシア・ヴェルティーゼは、前世で炎上対策の広報マネージャーだった。
対応マニュアル、第三章第二項。
相手と物理的距離を保つ。証人を確保する。記録魔導具を起動する。
婚約者の幼馴染オリバー様と、涙の得意な子爵令嬢ミミ様。
お二人による「断罪ムーブ」の段取りを、わたくしは業務として処理してまいります。
怒鳴りません。泣きません。証拠と証言で、静かに片付けます。
ただ一点。
会場の片隅から、わたくしの対応マニュアルを
熱心に写させてほしい、と仰る「学園の研究生」がおられまして――。
「……あの令嬢、うちの外交部にほしい」
救世主扱いされて困ってます。