あらすじ

七時二十二分。毎朝同じホームに立つ女性に、男は十年間手を振り続けた。 振り返りはなかった。それでも彼は信じていた——彼女はきっと気づいている、ただ恥ずかしいのだと。 雨の日も、悲しみの朝も、手を振ることだけが変わらなかった。そして十年目の春、彼女が初めて手を振り返す。 だが翌日から、彼女は来なくなった。 ホームに残されたのは、一枚のポスターと、宙に浮いたままの右手だけ。 「見ていた」と「見えていた」——その静かな逆転が、読み終えた後もしばらく離れない。

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エブリスタ
エブリスタ2026/04/23
  • 現在の作品読切短編 手を振る朝に