あらすじ
世界を支配するのは、完璧な「数式」と、一人の「怪物」だった。
ごく普通の、温かな日常。しかし、少女・アルの幸せは、ある日突然の開戦によって火の海へと消えた。避難の最中、軍の非情な手によって最愛の父・ローワンと兄・エリアが徴兵され、連れ去られてしまう。
残された母・サラと親友・カロルを避難船へと送り出し、アルは独り、白銀の闇へと背を向けた。
「絶対に、二人を連れ戻す。自分と交換してでも――」
少女は決意を胸に、自らの名前と性別を捨てた。少年のような外見を活かして男装し、身分を偽って軍の深淵へと潜入する。その道中、彼女の正体を見抜いたのは、一人の謎めいた軍人だった。しかし、彼はアルの実力を認め、その「目的」の果てを見極めるために、あえて彼女の入隊を許可する。
地獄のような四週間の訓練を終え、配属先で彼女を待ち受けていたのは、死神と恐れられる男、ノエル大佐。それは、入隊を許したあの「謎の軍人」その人だった。
冷徹な支配者の懐で、復讐の牙を研ぐ解析官。
すべてを投げ打って挑む少女の「反数(バグ)」が、白銀の世界を塗り替え始める――。