あらすじ
私には、前世の記憶がある。
江戸時代、吉原の遊郭でずっと逃げ出したかった私を「必ず連れ出す」と救ってくれた最愛の彼、和仁さん。
そんなある日、エレベーターホールで現世の彼に奇跡の再会を果たした私は、嬉しさのあまり彼のスーツを掴んだ。
彼も私を覚えてくれている――そう確信した、次の瞬間。
走ってきた可愛らしい後輩男子を見た瞬間、和仁さんは私の手を静かに、だけど確実に振り払い、そっちへ行ってしまったのだ。
同僚曰く「あの人、恋愛対象が男の子で有名だよ。あの後輩とできてる」
――ちょっと待ってよ!私はずっとあなただけを思ってたし、他の誰とも付き合うなんてことしなかった、それなのに!!
だけど、私はまだ知らない。彼がなぜ私の手を振り払ったのか。なぜ、男の子の影に隠れて、私を「知らないふり」をしなければならないのか。
その裏に隠された、前世から続くあまりにも切ない『秘密』を――。