あらすじ

築三十五年の古いアパートに暮らす野口由紀子は、ユニットバスの排水口から漂う異様な悪臭に悩まされ始める。最初はドブの腐臭。しかしやがて血液の鉄臭へ、そして硫黄のような地獄めいた臭気へと変化していった。時を同じくして観葉植物は次々と枯れ、飼い犬が二匹立て続けに急死。母親は骨折、腎臓手術、肝臓手術、脳梗塞と異常な不幸に見舞われ、家族は崩壊寸前に陥る。さらに深夜三時、誰も住んでいないはずの上階から「死ね、死ね、死ね」と何かを叩きつける音と呪いの声が響き始める。極限の恐怖の中、由紀子は霊能力者・間宮響子へ助けを求める。調査に訪れた響子は、浴室の鏡の奥に“ヤギの目”を持つ異形の悪魔を目撃する。それは土地と排水管に根を張り、人間の不幸と病を喰らいながら呪いを増殖させる存在だった。だが祓いの後も異臭は消えず、恐怖は終わらない。鏡の向こうから現れる“それ”は、静かに次の犠牲者を待っていた。

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カクヨム2026/05/17
  • 現在の作品排水口の祈り-間宮響子-