あらすじ

一九五〇年、大浪(おおなみ)。我が国は第二次世界大戦に「勝利」し、原爆の投下を免れた――。だがそれは表向き。実際にはアメリカの経済支配の枠組みの中、東洋人は poverty(貧困)にあえぎ、白人兵が我が物顔で闊歩する偽りの栄光の時代。そんな法善寺横丁の片隅に佇む古い洋館に、一人の風変わりな探偵がいた。プラチナブロンドの髪に碧眼の絶世の美女。けれどその身形は、粗末でヨレヨレになった灰色の着物に袴、足元は古い革ブーツ。一人称は――「ぼく」。彼女の名はリンゼイ・チコウスキー。かつて極寒のシベリアでKGBの超人兵士計画『プロジェクト・ルナ』の実験体にされ、脊髄に『神の残滓(結晶体)』を埋め込まれた少女。普段は気だるげで穏やかな彼女だが、ひとたび事件が起きれば、白いターバンに超ミニスカートの正義の味方『ムーンライト仮面』へと変身し、ホンダ・ドリームC70を駆って大浪の夜をパトロールする!黒髪姫カットの蜘蛛型モンスターの助手・アトラと共にのんびり暮らす彼女の前に、ある日、宿命のライバルが現れる。仕立ての良い黒スーツを着こなし、己の『武士道(美学)』のためだけに動く天才メカニック――紫雲士郎(むらくも しろう)。肉体ではリンゼイに及ばない彼は、国を売った大人たちを呪い、自作の5メートル級装甲兵器『鉄人731号』を操ってリンゼイを解体せんと迫る!裏で結託する米軍×KGB残党の強欲、そして闇に蠢くクトゥルフの怪異。父親の形見であるヨレヨレの着物に誇りを隠し、少女は二丁の南部十四年式拳銃を構える――。オカルト怪異×重厚ミリタリーが織りなす、レトロ怪奇SFミステリー、ここに開幕!

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カクヨム
カクヨム2026/05/17
  • 現在の作品4巻:リンゼイ・チコウスキーの事件簿 その弍