あらすじ
【公募用あらすじ※結末含む】
遥かなる昔より、国は数多の厄災に見舞われていたと云う。
人心が欠けた際に形作られる邪気を纏った現象を厄災と呼ぶ。しかし最古の人々に鎮める術はなく、ついには国が傾きかけた時──国の守護獣たる龍神と虎神が地に舞い降りて厄災を鎮めたとされる。
その血と鎮魂の加護を授けられた神子たちは長く国を守り続け、その子孫が龍人・虎人であり、その中で厄災を鎮め国を守護する任についた者を龍徒(りゅうと)・虎徒(こと)と呼ぶ。
龍徒である龍門万葉(たつかどまんよう)は、龍骨を利用し厄災を発生させようとする犯人探しを、守護獣の声を聞く巫・彼方(かなた)から命じられる。
意気揚々と任務遂行を目指す万葉であったが、龍骨の門番・人喰い虎の虹河(こうが)を半ば無理やりに相棒としてつけられる。
史上最年少で龍徒となった、実力に裏打ちされた自信を持つ万葉。
人喰い虎に産まれた故に龍骨の箱庭という隔絶された山中で育ち、他者を拒絶する虹河。
正反対な性格のふたりは、厄災を通じて徐々に心を交わしていく。
妻を亡くし生き返りを願う重次(じゅうじ)の息子・蓮実(はすみ)の、生き返りに必要な子どもを犠牲にする度に欠けていく心は【いなくなる子どもの、その記憶が家族から消えていく】厄災を生んだ。
六(ろく)は、亡き姉の復讐のために自ら心を捨て【復讐のために人喰い虎となった娘が、雪ですべてを覆い尽くす】厄災を生んだ。
虹河は欠けた心を見つけ出し、厄災者へと戻すことにより厄災を鎮め、万葉を驚かせる。
その最中、万葉は虹河の背中の【皮】が不良龍徒・蒼(あおい)によって傷つけられた上、命令に逆らえないよう一方的な契約印を刻まれていることを知る。
万葉の機転により無事に契約印から解放された虹河は、継当師(つぎあてし)・梓弓(あずゆみ)に【皮】の修繕をしてもらい、隷属から解放された。
万葉は暇をもらい、虹河を連れて実家へと帰省する。
そこで自身が生まれつきの捨て子である【はぐれ】であることを告白する。
初めての家族の団欒に、虹河は戸惑いながらも安心を覚える。
──そんな折、虹河が人を襲った。
万葉は虹河を慰めるが、虹河は龍骨の箱庭へと戻ってしまう。
そしてそこで、驚愕の真実を知ることとなる。
龍人として産まれたものの、母が罪深き晴れ乞いの巫であったため命を狙われた虹河。
人喰い虎として産まれたが故に捨てられた万葉。
ふたりの【皮】は交換され、その運命もまた入れ換わった。
厄災によって、その過去は全ての龍虎人に伝わる。
動揺する万葉は梓弓に保護されるが、彼こそが龍骨の厄災を広めていた黒幕であった。
梓弓は万葉の実父であり、妻であるしのが息子・人喰い虎の万葉を求めた結果の暴挙であった。
しかし梓弓の企みは、ふたりの絆の前に失敗する。
梓弓は万葉を龍の姿に変えて全てを崩壊させようとするが、虹河の言葉に我を取り戻した万葉が自身と分かたれた龍を斬り伏せる。
龍の身体を形作っていた水が雨となって街を沈めんとした時、虹河が晴れ乞いの舞を舞い、見事晴れ空を呼び戻した。
交換された【人喰い虎】と【はぐれ】というちぐはぐな宿命を持ちつつも、苦難を乗り越えたふたりは本当の相棒となり新たな厄災を鎮めるために走り出す。
【人物紹介】
・龍門万葉(たつかどまんよう)
……龍徒。真面目で努力家。自分の顔に自信がある。容赦がない部分も。
料理上手。
・虹河(こうが)
……人喰い虎。龍骨の番人として、龍骨の箱庭と呼ばれる山中で育つ。
乱暴な態度ではあるが、どこか幼さも併せ持つ。
・宝龍八雲(ほうりゅうやくも)
……龍徒。能力はあるもののことなかれ主義。他人を思いやれる優しい性格。
梓弓の弟。
・虎符六(こふろく)
……龍虎図寮の女中。料理上手。
・彼方(かなた)
……守護獣の声を聞く巫。十歳ほどの少年。老人のような口調で話す。
・手向け(たむけ)
……彼方の世話人。
・宝龍梓弓(ほうりゅうあずゆみ)
……龍人、虎人の【皮】の修復をする継当師。優秀なため予約必須。
八雲の兄。