あらすじ

瀬名透は、事故物件や廃ビルの残置物を片づける仕事をしている。 彼は他人の死にも、孤独にも、怒りにも深く触れない。 ただ、部屋に残された物の配置だけを読む。 一本だけ違う歯ブラシ。使われていない椅子。閉まりきっていない引き出し。 人間そのものではなく、人間が残した痕跡だけを見て生きていた。 ある日、瀬名は解体前の旧白鷺育英財団施設に向かう。 本来は立ち入る予定のなかった五階。 そこにあったのは、誰かが作ったように整いすぎた「生活の模型」だった。 そして図面にない地下室で、彼は久遠ミカという少女と出会う。 彼女は助けを求めなかった。 怯えもしなかった。 ただ、瀬名を見て言った。 「あなた、迷わないんですね」 管理された救済を掲げる白鷺会。 自由の名で人を扇動するネスト。 その対立すら観測する謎の組織アーキヴ。 瀬名とミカは、誰かに配置されたように出会い、逃げ始める。 何も持っていない男と、どこにも分類できない少女。 二人が辿り着くのは、救済でも革命でもない。 空白の王国の、その外側だった。

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カクヨム
カクヨム2026/05/17
  • 現在の作品ホロウ・キングダム 空っぽな僕と、分類できない少女の逃亡劇