あらすじ
「お前を愛することはない」
婚礼初夜、そう告げられたリディアは思った。
――つまり、私は失恋したのですね。
実家で『ただひたすらに慎ましく』育てられたリディアは、痩せすぎた身体のまま、冷酷無慈悲と噂される『氷刃の伯爵』カイゼルへ嫁ぐことになる。
愛されない。
夫婦として求められない。
外出も禁じられ、姿を見せることすら拒まれる。
……なのに。
翌朝から、なぜか枕元には焼きたてのお菓子が置かれていた。
しかも毎晩、味が改良されている。
「兵糧だ」
「偶然だ」
「士気を維持するためだ」
そう言い訳しながら、深夜の厨房で可愛らしくも完璧な焼き菓子を量産する氷刃の伯爵様。
――この人、もしかして致命的に言葉が足りないだけでは?
愛を知らずに育った令嬢と、愛を説明する能力が壊滅的な伯爵の、じれ甘すれ違い胃袋ラブコメ