あらすじ
公爵令嬢エレイベルナが授かったスキルは、ただ可愛らしい音が鳴るだけの《呼び鈴》だった。
役立たずのスキルだと笑われながらも、彼女は王子の婚約者として王妃教育、法律、財務、契約を学び続けてきた。
だが春の祝宴の夜、第一王子エドガルは子爵令嬢ミレーヌを隣に立たせ、レイベルナへ一方的な婚約破棄を宣言する。
追い詰められるはずだったレイベルナは、静かに銀の鈴を鳴らした。
「婚約破棄は重大な契約解除でございます。この場の責任者をお呼びしてもよろしいでしょうか」
――チリン、と鈴が鳴る。
次の瞬間、現れたのは寝間着姿の国王陛下だった。
《呼び鈴》の本当の力は、その場で本当に責任を取るべき人物を呼び出すこと。
王妃、財務卿、教育係、商人、証人、そして隠された不正契約まで、鈴の音が王宮の嘘を次々に暴いていく。