あらすじ
ブラック企業のスパイ兼ヒットマンとして使い潰され、最後は毒殺されたカズマ。享年45。
目が覚めると、そこは中世ファンタジー世界のスラム街。
しかも、なぜか若返っていた。
与えられたスキルは戦闘系ではない。
日本円で現代の食材を注文できるだけの、地味な能力――『異世界デリバリー』。
「もう人を傷つけるのはこりごりだ。今度は、食わせて生きる」
そう決めたカズマは、初心者ダンジョンの前に小さな屋台を開く。
ところが、彼の料理を食べた冒険者たちに異変が起きた。
「焼き鳥食ったら敏捷+10付いたぞ!?」
「このカレー、魔力が全回復してる……!」
「チョコケーキで幸運バフって何!?」
ただの屋台飯ではない。
それは、食べる強化魔法だった。
借金まみれの駆け出し剣士。
素直になれないエルフの弓使い。
カルパスにつられて懐いたフェンリルの子犬。
気づけば屋台は連日大行列。
スラムの片隅の小さな屋台は、やがて冒険者、貴族、王族までも巻き込み、国の運命を動かしていく。
これは、毒殺された裏社会の男が、料理と元スパイの頭脳で、異世界を胃袋から変えていく物語。