あらすじ
――これは、生者が絶望し、葬られていく話。
雷栞音(イカヅチ シオン)。十四歳。
漆黒のスーツを纏い、巨大な鎌と棺桶を構え、
血の臭いのする車内で平然と
ハンバーガーを頬張る少女。
彼女は、生者が絶望し、
ナニカへと成り果てる『葬列』の観測者。
そして厳つ霊(イカツチ)に成る者。
隣の男が自分の指を食いちぎっていても、
目の前の子供が逆さまの絵本を読んで
不気味に笑っていても、
彼女はレモンの味がする飴を転がしながら、
ただそれを眺めている。
彼女にとって「死」は悲劇ではない。
「葬儀屋」として、命がゴミのよう捨てられる瞬間に
立ち会うことこそが義務なのだから。
「死ぬの?……別にいいけど。ああ、そうそう最後までちゃぁんと見届けてあげる」
嘘が顔に出るほど純粋な、根っからの狂人。
「普通の女の子になりたい」と口にしながら、返り血を浴びた顔で無邪気に微笑むその姿はどんな異形よりもおぞましい。
栞音の背後に積み上がっていく「相棒」たちの死体の山。
列車を降りても、その葬列はどこまでも続いていく。
「ねぇ、次。……私の横で散るのはだぁれ?」
※派手に血や死体が出る予定なので苦手な方はやめておいてください。