あらすじ
( ΦωΦ )#1
朝起きた瞬間、いつも通り重みが腹の上に乗っていた。
「……くるし」
目を開ける。
そこにいたのは、シャム猫のルナじゃなかった。
黒髪の男だった。
長いまつ毛。少したれた青い目。整いすぎた顔。なのに、眠そうに欠伸をしている。
「………………え?」
固まる美琴の前で、男は当たり前みたいに頬に擦り寄ってきた。
「ちょ、待っ……え、誰!?!?」
男は美琴の大声にびくっと肩を震わせる。
その反応に、美琴は逆に見覚えを感じた。
怖がった時のルナそのままだった。
男は眉を下げて、美琴のパジャマの袖を掴む。
「……みこ、と」
「え」
「みこと……おなか、すいた」
声まで綺麗だった。
美琴は数秒沈黙したあと、頭を抱えた。
「ルナ……?」
男はぱっと顔を明るくして、抱きしめてくる。
その瞬間、美琴の脳裏に、毎朝六時に顔を踏みつけて起こしてくるシャム猫の顔が浮かぶ。
「……うそでしょ」
男――ルナは嬉しそうに、美琴の首元へ顔を埋めた。