あらすじ
この世界では、生まれた瞬間に“契約”が与えられる。
それは魔力の形であり、戦い方であり、そしてその人間の限界そのものだった。
契約を持つ者は力を得る。
契約を持たぬ者は、生きる価値すらない。
そして少年・(主人公の名前)は、その世界において“存在しないはずの契約”を持っていた。
――「無価値(ゼロ)」
能力はない。
強化もない。
未来もない。
だが彼には、この世界で唯一許されていないものがあった。
それは、理不尽に抗おうとする“感情”。
怒り。
恐怖。
絶望。
そして、誰かを守りたいという衝動。
本来ならば、それは弱さでしかないはずだった。
この世界において、感情は判断を狂わせ、死を招く欠陥でしかない。
しかし――
彼の“感情”は、契約の理をわずかに歪め始める。
格上の存在しかいない戦場。
逃げ場のない生存試験。
そして、壊れゆく世界のルール。
その中で少年はまだ知らない。
自分の“無価値”こそが、この世界で最も危険な異常であることを。